昨日、起こった2人の日本人の人質事件に我々JVJA(
http://www.jvja.net)は声明を発表しました。(2015年1月20日)
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会( JVJA )はフォトジャーナリストやビデオジャーナ
リストの団体です。
私たちは、イラク戦争とその後の占領下において、米英軍を中心とした有志連合軍による
攻撃がイラク市民にどんな災禍をもたらされたかを取材、テレビや新聞などで報道してきま
した。また、イスラエルのパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃に晒された市民を取材し、テ
レビや新聞等で報道してきました。私たちの報道はけっしてアメリカやイスラエルの攻撃を
肯定するものではありませんでした。
私たちジャーナリストが、現場での取材を通して理解した戦争下の住民の現実だったから
です。同時に、報道を通して私たちはあらゆる暴力を批判してきました。日本政府の戦争政策
に対しても批判してきました。イスラエルのガザ攻撃に対しても、私たちは強く批判してき
ました。私たちは現在の安倍政権の戦争を肯定するかのような政策を、報道を通して批判し
ています。
現在、IS(イスラム国)が拘束している後藤健二さんには、取材の現場で会ったことがありま
す。後藤健二さんもまた、イラクやシリアでの戦火に苦しむ市民の現状をテレビやインター
ネットで報道してきました数少ないジャーナリストです。湯川遥菜さんは、私たちと直接の
接点はありませんでしたが、報道によると個人的な興味から「イスラム国」に入ったようで
す。
私たちは、暴力では問題の解決にならないというジャーナリズムの原則に立ちます。武力
では何も解決されない現実を取材をとおして見てきたからです。「交渉」を含むコミュニケー
ションによって問題解決の道が見つかると信じます。
私たちは、IS(イスラム国)の皆さんに呼びかけます。日本人の後藤さんと湯川さんの2 人
を殺さないように呼びかけます。人の命は他の何ものにも代え難いものです。イスラムの教
えは、何よりも平和を尊ぶことだと理解しています。
私たちは、同時に日本政府にも呼びかけます。あらゆる中東地域への軍事的な介入に日本
政府が加担することなく、反対し、外交的手段によって解決する道を選ぶようにと。
2015 年1月20日
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
http://www.jvja.nete-mail:office@jvja.net
IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明